素材やフロアの分け方で変わる住み心地と暮らし方。
洗面カウンターを廊下に据えてスペースを共用したり、階段下をトイレにするなどの工夫で築面積を抑え、その分のコストを良質な材料に投じて長く飽きずに暮らせるよう設計されたK邸。家族が一緒に使う場所と個人で使う場所をフロアで分ける事で、生活動線もスムーズになった。部屋にそこここにあるニッチや収納棚は工事が進む中で職人さんと話しながら設けられたもの。
「当初はハウスメーカーで設計を進めていました。些細な希望もオプション対応となる融通の利かなさを経験していたので、柔軟な対応が本当にありがたくて」偶然に参加したセミナーで素材について学んだことが施工会社を変えたきっかけだ。
「それまでは間取りや予算に意識が集中していて建築材の事は気にもかけていませんでした。家族の健康のためにも、知ったからにはもう戻れないな」とご主人。
健康に良い建材を追求し、日本家屋の伝統工芸工法に学ぶ本物のいえづくりをモットーとした職人の手仕事が生きた新居は、家族の揺るぎない財産となった。