秋田市仁井田 / T邸

自然素材と自然光が育む、親のゆとりと子どもの感性。

あえて図面で確定させない、その場合わせに対応した柔軟さが生む満足度。

走り回る子供たちを叱ることなく、自由に遊ばせたい。そんな思いから、近隣に迷惑のかからない環境が家づくりの第一目的だったというSさん夫妻。夫婦揃って無垢材の住空間を望んでいたため、5社ほどの候補のうち、見学会の際に肌で感じた空気感と、木の香りが印象的だった村岡組デザインに依頼を決めた。

完成した新居の室内には、その時と同じ木の心地良い香りが漂っている。そしてとても静かだ。この静隠さは、躯体の断熱性能はもちろんのこと、窓計画が果たす役割が大きいように感じる。S邸では、あえて南面に吹抜けの階段ホールを配置し、2階の窓からリビングへ明るさを届ける設計。ガラス面は音の反射が大きいため、リビングの低い位置にないことで、子どもたちの歓喜の声も反響しにくい。

また、体感場所に直接的な日差しが注がず、さらに遮熱ガラスで熱が入りこみにくいため、エアコンを必要とする日数もグンと減り、冷房の効きが良い。わずか15帖分程度のエアコン1台で全館の冷房を可能とし、真夏でも電気代は1万円を切るという家計に優しいパフォーマンスだ。

 

村岡組デザインでは、現場あわせが可能な造作に関して、できるだけ図面で固定しないよう心掛けている。作り込みの前に現場へ足を運んでもらい、実物を目で見た施主の感覚で、細部を最終決定していく。紙の上での取り決めよりも手間はかかるが、「想像と違った」「こうすればよかった」というマイナスの気持ちを、住まいに残さないための配慮だ。

S邸も当初は階段下に収納棚が入る予定だった。サイズを決めるために現場を訪れ、収納で閉じてしまうことがもったいないように感じ、開放して使える形に変更。想像を実物のすり合わせは、耐久財である住まいづくりにおいて、暮らしの質に直結する大問題だ。自分の目で見て決められる余白を残した設計が、妥協のない満足感をつくりだしている。

●竣工:2019/2 ●構造・工法:木造軸組パネル法 ●規模 :2階建 ●敷地面積:197.11㎡(59.62坪) ●床面積(総):119.14㎡(36.03坪)/1階 71.53㎡(21.63坪)/2階 47.61㎡(14.40坪) 〈主な設備〉 ●暖房の種類╱ファンコンベクター ●給湯の種類╱エコキュート ●バス╱LIXIL アライズ ●トイレ╱サティス  ●キッチン╱LIXIL シエラ ●調理器具╱スーパーラジエントヒーター ●窓仕様(主なもの)╱樹脂サッシLow-Eペアガラス ●断熱材╱セルロースファイバー+ネオポール(オリジナル複層断熱) ●換気システム╱第3種換気

備考 当社の間取りは、当社独自の設計コンセプトルールによって、設計デザインされております。施工例等の参考間取りをご覧になりたい方は、モデルハウス・相談会にて一部を公開しております。