床の上で家族みんなとゴロゴロするひとときが幸せ。
結婚を機に家づくりを始めたYさん夫妻。最初に重視したのはシンプルかつリーズナブルな住まいという条件だった。いくつかのモデルハウスなどをを見学しているうちに、妻のMさんは見学中の体のかゆみを感じるようになる。「それで初めて自分が化学物質等に過敏な体質であるということがわかったんです」。そこからYさん夫妻の家づくりに「Mさんがかゆみを感じないで済む家」という条件が最優先事項の一つとなった。
村岡組デザインに決めた決め手は「かゆくならなかったのはもちろんですが、ファーストプランのためのヒアリングが丁寧で、対応に安心できたのも大きかったです」とMさんは振り返る。「老後のことや将来の家族のこと、趣味など、私たちがどんなふうに暮らしたいかを深いところまで聞いてくださって。ヒアリングに際して初めて考えたことも多く、『家づくりっていろんなことを考えておくものなんだなぁ」とYさんも口を揃える。最初に提案されたプランを見たとき、2人の心はもう決まっていた。
1階はコミュニケーションの取りやすい対面式キッチンを採用。夫婦2人でキッチンに立っても十分なゆとりがある。2階ホールはYさんの趣味の部屋として活用する予定でセカンドリビングにした。子供部屋はあえて仕切りやドアをつけずにフレキシビリティーの高い空間に仕上げている。
家づくりをはじめて間もなくMさんの妊娠は判明。「1歳になった長女は何でも口に入れたり舐めたりしてしまいます。それでも安心な素材に囲まれて暮らすことができているおかげで、穏やかな気持ちでいられると感じます」とYさん。無垢のパイン材の床は柔らかく赤ちゃんがハイハイするのにも優しい肌あたり。「床の上で家族みんなとゴロゴロするひとときが幸せ」とMさんはほほ笑む。
Yさんは「家に帰ってくるとふとした拍子に『いい家だなぁ』という言葉が口をついて出てくるんです」と言いながら、幸せそうに家の中を見渡した。