自然と溶け合う豊かな開口計画と、子どもの成長を守る素材と生活動線。
K邸の外観の特徴ともなっているリビングの窓計画は、自然の光と住まいに取り入れ、気持ち良い空間づくりを目指したライト建築の哲学によるもの。
連なる縦長の窓には、先祖の代から土地を守ってきた杉林が映っている。
テレビコーナーの上部と対向するように左右に設けられたキャットウォークは、吹抜けの縦方向の抜けを部分的に制限し、天井が低いスペースをつくることで落ち着きを生むための仕掛けだ。
開放的であるのに落ち着きも感じられるリビングに降りつくよう配置された階段は、施主夫妻のたっての希望を組み込んだもの。
二人の娘さんたちが年頃になっても、部屋に籠りきりにならずに、お互いに顔を合わせながら日々を過ごしたいという両親の思いが込められている。
この階段ホールを囲むようにして、リビングやダイニング、水周りが配置されぐるりと回遊できる動線設計。
内装材はスペイン漆喰の塗壁とオアインの無垢材を使用した床など、村岡組デザインの提唱する健康住宅を実現した素材選定で子供たちの健やかな成長を守り、両親の思いとともに次の世代へ引き継がれていく。